出産前の失敗体験談

今回は、ちーちゃんママからご寄稿いただきました。


読んであげるよ

妊娠中は予期せぬ体の変化や不調が起こったりホルモンバランスの関係で、不安な気持ちになるプレママさんも多いと思います。私も妊娠中に沢山の情報に惑わされすぎて大変な不安に陥りました。その時の失 敗談です。

検査で異常が

妊娠7ヶ月を過ぎて、お腹の膨らみと共にママになるという自覚も芽生えてきた冬のことです。私の通院していた病院では、胎児スクリーニングというお腹の赤ちゃんの発育状態や先天性異常を調べる検査がそ の時期にありました。それまで全く問題のない妊婦生活を送ってきたので、予想より長い時間がかかる検査を不思議に思いながらも呑気に構えてました。その検査でまさかの指摘事項があったのです。

お医者さんから発されたのは「三尖弁逆流」という初めて聞く言葉でした。三尖弁という心臓の弁に欠陥があり、胎児の心臓の血流が一部逆流しているという症状でした。軽度なものであり、大きい病院で詳し い検査をする必要は特にはないだろうということでした。さらに生まれてからは心臓の血流も変化するので治ることも多いとのことを先生は優しく説明してくれました。

しかし、その時は頭が真っ白になり何も質問をする事が出来ませんでした。「わかりました。ありがとうございました。」とだけ言って病院をあとにしました。

なんで私の子が

病院から一人で家に戻ると、不安な気持ちが一気に湧いてきて、直ぐ様「三尖弁逆流」を検索していました。何故うちの子がなってしまうのだろう?妊娠初期に私は何か良くないことしてしまっていたのだろう か?自問自答が止まりません。

検索結果には、心臓病、胎内死亡、トリソミー…色々な関連ワードが出てきます。それからは、逆流に伴う障害を調べてはネガティブな情報を見て泣いていました。調べれば調べるほど不安は募ります。同じ症 状を指摘された妊婦さんはいないか、SNS内を探し回ったりもしました。それからは食欲はなく夜も眠れなくなりました。心配した主人に「きっと大丈夫だよ」と励まされても、私の心は晴れません。まるで病気の ように調べることをなかなか止められなくなってしまったのです。

先生からのアドバイス

次の検診の日、明らかに沈んでいる私を見て、先生は言いました。「さては、三尖弁逆流についていっぱい調べちゃった?」頷く私に、優しく諭しました。

「あのね、大丈夫だった人は、治りました!って報告しないから。そんな人はとっくに子育てに夢中よ!そりゃ悪い情報ばかり乗ってるわよ!」

そう、先生の言うとおりです。産んだ後は皆休む間もなく次のステップに進んでいることでしょう。そんな今自分ではどうにも出来ない事でくよくよ悩むより、健康な生活を送って栄養を赤ちゃんに届けてあげ るのが一番いいに決まっているのです。先生の言葉でハッとなり、それからは前向きになりました。

この子の為になるポジティブなことを考えよう!と。不安になるような情報収集は控えるかわりに、可愛いベビーグッズやお洋服などを調べてはワクワクしていました。今よりも生まれた後のことを考えるよう にしたら自然と元気になれたのです。


赤ちゃんの服選び

また、SNSで見つけた、同じ症状を指摘されたママさんが「生まれてくる前に心臓治してきてね!ってお腹をなでている」と言っていたので、私も実践しました。どうか元気で生まれてきてね、生まれてきた 後はママに任せて!と毎日なでていました。

出産

その春、私は幸い元気な赤ちゃんに会うことが出来ました。同時に不安だったあの日々をすっかり忘れて、慌ただしい育児生活に移行してしまったのでした。まさに先生の言う通りです。振り返る間もないまま 、新生児との余裕のない毎日にただただ追われていました。

妊娠中は不安がつきもの

今振り返ると、多くの情報に自ら溺れて苦しんでいたのだと思います。勿論沢山調べたことにより、指摘されたものがどういう症状か理解する事が出来たし得たものもあります。同じ症状をもつママさんとの出 会いもありました。山のような情報の中で、もっとうまく取捨選択ができれば良かったなと反省しています。

妊娠中は不安がつきものですが、上手に自分に必要なものを取り入れていければ充実したマタニティライフになるでしょう。きっとお腹の赤ちゃんはママと一緒に頑張っています。あっという間の赤ちゃんと一 心同体の生活をゆっくり楽しんでください!