娘の優しさに感動した日

今回は、りさママさんからご寄稿いただきました。


読んであげるよ

5歳と10歳の2人の娘の子育てをしています。ケンカもたくさんするけど、いつも仲良しの娘達は、私が思うよりもずっと成長していてびっくりさせられる事や、日々の生活の中で、ふとした優しさに感動する事 がたくさんあります。

娘と私の終わりなきバトル

10歳の娘は、小さな頃からずっとスーパーロングヘアです。長い髪が大好きで常に腰まで伸ばし、全然切る事に同意してくれず、結局いつも毛先の2.3cmを切るだけになってしまっていました。長いので洗うの も、乾かすのも本当に大変でした。

朝、学校前のブラッシングだけで、ものすごく時間がかかる上、更に長ーい髪を結わく事を嫌がり、いつも下ろしたまま。そんな状態なので、少し前かがみになれば床に髪がつき、学校で鉄棒をすれば地面の砂 が付き、もちろんトイレの便座に髪は付いて汚いし、学校でシラミまでもらってきたことがありました。

なんとか切る事に同意して欲しい私は、まずお菓子で釣ってみましたが全く意味がなく、続いておもちゃ?洋服?靴?お小遣いと、どんどん大人のズルさで心変わりさせようとがんばってみましたが、全然効果が ありませんでした。どうしても切って欲しい私と、どうしても切りたくない娘とのバトルは、娘が自分の意思で髪を伸ばし始めた4歳から6年目に突入していました。


姿見と娘

その日は突然やってきた

相変わらず大好きなロングヘアをキープしたままの日常。

私 「ねぇねぇ、ちょっとだけ、髪切らない?少しだけでも切ったほうが髪の毛伸びるのが早くなるし、髪の毛が綺麗になるよー」

娘 「嫌だ。絶対切らない!ママしつこい!」

と怒り出す始末。この繰り返しの日々。

そんなある日、学校から戻ってきた娘がいつもより静かな気がした。

私 「なんかあった?」

娘 「うーん。考え事」

そう言って上の階に行ってしまいました。学校でなんか嫌なことあったのかな?っと少し心配になりつつも、降りてくるのを待つ事にしました。

約1時間ほどして娘が降りてきました。そして私の顔を見て、「ママ、私髪の毛短く切る!」と言いました。

私は想定外の事に、嬉しいはずなのにびっくりして、「なんで?切っちゃうの?あんなに切りたくないって言ってたじゃん?」っと、まるで反対しているかのような意見(笑)。この後想像もしなかった娘の言 葉に、言葉を失うのでした。

娘の大きな決断

私の驚く姿を見ながら娘からでてきた言葉は「私、病気で髪の毛なくなっちゃった子達に私の髪の毛寄付したいの。」でした。

髪の毛が寄付できるなんて話しを、1度もした事がなかったし、正直こんな言葉が出てくるなんて、これっぽっちも思ってなかった私は一瞬言葉を失ってしまいました。これまでどんな事があっても、切る事を 拒否し続けた娘が自分から切りたいと言いだした理由は自分のためではありませんでした。

その後、同じ学校の上級生が病気で髪の毛を全部剃らなければいけなかったと知りました。

ありがとう

娘が髪を切る!と決断してからわずか2日で美容師さんに寄付をする事を伝え、輪ゴムで止めた髪をバッサリ40cm以上切りました。切る瞬間、鏡越しに見る娘の目は、少しうるうるしていました。その姿を見た 私は、きっと何日もずっと考えて悩んで決めたんだろうなっと思いとても誇らしい気持ちになりました。

腰まであった髪はアゴのラインになり、切り終わった娘も、とても誇らしげでした。簡単そうに思えて、ずっと伸ばし続けてきた大好きなロングヘアを切るのは、かなりの勇気だったと思います。

私が思う以上に子供達はいろいろな事を考えていて、親のほうが学ぶ事が本当にたくさんあります。本当にありがとう!娘はまた寄付するために髪の毛を伸ばしています。