我が家が体験した子供同士のトラブル

今回はまきママさんからご寄稿いただきました。


読んであげるよ

子供が大きくなるにつれて、幼稚園や保育園、学校などで家族以外の大人や子供と関わりを持つ場が増えていきます。仲良く遊んだり、時にケンカをしたり、注意をされたりすることで、自分がしたことに対し て相手が何を思うのか、どんな気持ちになるのかを体験したり考えたり、また社会のルールやマナーを学んだりと、家庭だけでは教え経験させられない大事な成長の場にもなります。ですが、良い部分もある反面 、大なり小なりトラブルが起きる場合もあります。

そこで今回は我が家の長男が小学生の頃に体験したお友達とのトラブルをご紹介します。対応の正解例というものではなく、あくまでも我が家が体験したこととそれに伴う私の感想ですので、温かい目で読んで 頂けるとありがたいです。

当時流行っていたカードゲーム

男の子の間でいつの時代も流行るカードゲーム(今は女の子向けのものもあるので、男の子限定というわけでもなくなりましたね)私が子供の頃も流行っていましたが、我が子の時代もやはり色々なカードゲーム が流行っていました。

長男が小学校にあがるとすぐに「僕も欲しい!」とせがまれましたが、周りのママさんからトラブルになるケースを聞いていたので、ずっと渋っていました。大きくなったら興味がなくなるかなぁ、と期待もし てましたしね…。ところが、高学年に上がってもまだ欲しいと言っているので、「自己管理をしっかりとする!」、「友達と貸し借りや交換するのは禁止!」というルールを設けて、我が家でもカード解禁としま した。

長女や次女は全く興味がなく、「何が面白いのかわからん」と言ってましたが、長男はそれはそれは嬉しそうにお目当てのシリーズ(?)のカードを選んでおりました。さすがに高学年ともなればそうそうトラブ ルも起きず、友達とバトルして遊んでは、家でどうすれば勝てるかを研究するという日々。勉強もそれくらいちゃんとして!という私の説教以外は平穏に日々が過ぎていきました。

買った当初はしばらく「友達と貸し借りしてないよね?」と長男に確認と釘刺しをこまめにしていたのですが、何も問題が起きていなかったので段々とその確認もしなくなっていました。それが良くなかった… 。私も安心しきって油断しきった頃、トラブルは突然起きました…。


カードゲーム

禁止していたはずの「友達とのカード交換」

長男が6年にあがった頃、夜に学校から電話がありました。その時間の学校着信では「今日、お友達の持ち物を壊してしまったのですが…」とか「お友達とケンカをしてケガを…」とかそういう系統の連絡しか 受けた事はなかったので、携帯に表示された着信を見て「今回は誰が誰に何をしたのー!?」と『嫌な予感』しかしませんでした…。

出てみると長男の担任の先生からでした。今回は長男か…と思い、お話を聞くと、「長男くんと隣のクラスのCくんが少しケンカになってしまいまして…お母さんは長男くんから話を聞かれていますか?」との こと。

後ろめたいことは話さないのが人の常。長男は当然何も話していなかったので、「いえ、何も聞いていませんが…もしかして、Cくんにケガをさせてしまいましたか?」と一番最悪なシナリオを描きつつ確認し てみました。(その一瞬のうちに、パパと一緒に菓子折り持ってお詫びに行く段取りも考えてました)

「Cくんも長男くんもケガはしていないのですが…」との言葉に安堵しつつ、仲の良いはずの2人がなんでケンカになったのか不思議で詳しく事情を聞いてみると、Cくんからの申し出で長男とCくんとでカードの 交換→Cくんがやはり返して欲しいと言う→それを長男が拒否→取っ組み合いのケンカに→周りの友達と先生が止める→先生が長男とCくんを説得しなだめる→先生から我が家に連絡という事が起きたということで した。しかもCくんのカードはレアカードで市場価値がついているものだったそうです…。

問題は、①学校に必要のないカードを持って来ていたこと、②ケンカになってしまったこと、の2点なので、先生からも2人には注意をしたが、最近学校でもカードが原因でトラブルが起きているので、ご家庭で も改めてお話をしておいてくださいということでした。先生との電話の後、長女と次女には隣の部屋で遊んでてもらい、長男から事情を聞くことに。

先生と話していたことに気付いていない長男は「何?」と能天気な顔してたので、私は若干イラッとしつつもひとまずは優しめに「今日さー、学校でなんかあったよね?」と切り出しました。その時点でさっと 顔色が変わる長男(なんてわかりやすいヤツなんだ…)。私「今さー、先生からの電話だったのねー。…なんで学校にカード持っていってるワケ?友達と交換とか無しって約束したよね??」(きっとこの時点で私の 顔は恐かったはず 笑)。

長男「それは…友達が…俺のカード見せてって言うから…」

私「見せるのはいいけど、一緒に遊んだ時でいいよね?学校に必要のないものは持っていかないのが決まりでしょ?」

長男「俺はイヤだって言ったけど、友達が…」

私「友達のせいにしてんじゃねーよ。ダメなもんはダメだろ。」(怒ると言葉遣い悪くなるんです。すみません…)

長男「グスッ・・・」(長男はすぐ泣きます)

私「交換するとあとで返してって揉めるから禁止って言ったよね。なんでCくんと交換してんの?」

長男「グスッ…Cくんが……」

私「だから、友達のせいにすんなって言ってんだろ。返してって言われたら返すしかないじゃん。返さなかったら遊べなくなったり、仲悪くなったりするでしょ?嫌でしょ?」

長男「うん…グスッグスッ…」

怒られていることと、Cくんと遊べなくなることを想像した長男はこの時点でかなりのダメージを受けていました。泣くくらいならやらんでくれ、と思ってしまいましたが、これ以上はただ泣かせるだけになる ので追及を止め、Cくんと交換したカードはちゃんと手元にあるのかを確認し(無くしたり傷付けてたら弁償しないといけませんからね…)、そのあと今後どうするかを長男自身に考えさせました。

長男の答えは「カードは今度の休みにCくんに返す。学校にはもうカードを持っていかない。友達に頼まれてもカード交換はしない。」でしたので、その言葉を信じることにしました。先生とCくんママにはこの 話をするからということと、パパにも今回の件は話して今後カードをどうするのか、は相談して決めることを長男には伝えました(パパに話すと言った時の長男の絶望感は半端なかったです…)。

Cくんママの言葉で思わず涙…

長男との話し合いの後、夜8時を回っていてご迷惑と思いつつも、Cくんのおうちにお詫びの電話を入れました。CくんママへはCくんと交換したカードは今度のお休みの日にお返しすることをお伝えし、ケガは無 いとはいえCくんに申し訳なかったこと、レアカードを簡単に交換してしまったことなど、今回のケンカについてお詫びしました。

Cくんのおうちにも先生から連絡が入ったようで、ケンカの内容などについてはご存知でした。Cくんママからも連絡が遅くなってしまったことも含めた謝罪のお言葉が返ってきました。ケンカの原因はうちにも 過失はありましたし、ケガに繋がる前に先生方が止めて下さっていたので、喧嘩両成敗というかお互いの親同士、子供同士が謝りあって納得し合えばそれでいい、というのが私の考えでした。

ただ、高価なカードというのが今回は絡んでいたので、その部分で長男には友達のものとはいえ、親御さんがお金を出して買っているものだという点を理解させて、子供だけで交換をするのはいけないというの をよく言い聞かせることをCくんママにはしっかりとお伝えしました。Cくんママからは我が家と同様に子供にしっかりと言い聞かせます、今回のことはうちの子の自分勝手な行動とわがままが原因なので本当に申 し訳ありませんでしたと、改めて謝罪の言葉を頂きました。

そのあとに続いた言葉が、Cくんママ「うちは共働きでどちらも帰りが遅くて、お休みの日も一緒にいられなくて、いつもおばあちゃんのおうちで遊ばせているから、子供が欲しいというものはつい買ってあげ てしまって…。だからなんでも自分の思い通りになると思っているわがままな子になってしまった。それなのに、長男くんは一度もクラスが同じになることはなかったのに、1年生の頃からうちの子といつも遊んで くれて、本当に感謝しています。家でもよく長男くんの名前が出てくるくらい、うちの子も長男くんと一緒にいるのが楽しいって思っているので…今回は本当に迷惑をかけてしまって申し訳なかったけれど、もし よければこれからもうちの子と仲良くしてくれると嬉しいです。」でした。

終始、穏やかで優しいお声で話して下さったCくんママのこの言葉で、私は思わず涙ぐんでしまいました。長男はよく言えば優しい性格でどんな子とも仲良くできるので、みんなが避けがちなトラブルメーカー として有名な子たちと親友になるような子でした。

Cくんもその中の1人で、喧嘩っ早いところがあってすぐに手が出るから怖いと同じ学年の女の子たちや他のママさんからは言われていて、「長男くんが優しいからいいように利用されてるんじゃない?」なんて 言われることもありました(子供の世界で利用するような事柄が起きるのか?とも思いましたが)。

Cくんは学校行事などで学校に行ったり、近所で会ったりすると、必ずお辞儀をして「こんにちは!」と言ってくれ(私が気付いていなくても先に声を掛けてくれます)、長男にくっついて遊びに行く次女ともい つも仲良くしてくれるので、噂は聞いていても「すっごく礼儀正しくて良い子」というのが私の印象でした。Cくんたちと遊ぶ長男はいつも楽しそうですし、学校生活も充実していて、家でずっとゲームしてるより 外に連れ出してくれるのは全然ありがたい!というのが私の本音で、友達やそのご家族には感謝の気持ちしかなかったです。

私からしたらすぐ泣くし、頼りなくて、ふにゃふにゃしてる印象の長男が、CくんやCくんママから感謝されるような存在であったことがとても嬉しく、少し誇らしくもなり、うるうるっときてしまいました。

長男に下された判決

とにかく今回の件は双方納得し、今後のカードの取り扱いに注意することを約束して、これにて解決!と相成りました。その日のうちにパパへと連絡をし、協議した結果、約束を破ったこと、危惧していた高価 なカードが絡んだということで、パパからは「長男カード禁止&没収」という判決が下されました。長男は号泣しながら私の目の前でカードを処分していました。ちょっとかわいそうでしたけどね…。

でも数日で回復してました。子供は立ち直るのが早い。早すぎる。(その頃流行っていたアニメのプラモデルにシフトチェンジしてたし)。これでとにかく終わったー!よかったー!と思っていたのもつかの間… 。

忘れてましたよ。うちの長男は3年連続で同じ友達の持ち物を壊すという経験持ちの懲りないおバカさんでした…。

卒業間近になった頃、再びCくんとカードでトラブル発生。実はこっそりと親の目をかいくぐって、おこづかいでカードを購入し、友達と遊んでいた長男。そんな時にCくんの持っていたレアカードを少し傷付け てしまったことで、Cくんの怒りが爆発。

長男は謝ったもののCくんの怒りは収まらず、後日私が仕事でいない時間にCくんが我が家に来襲。家には誰もおらず留守だった為、玄関ドアを蹴って少し破損させるという事態にまで発展しました…(ドアには 足形が残ってたので、結構な力で蹴ったみたい)。

これにはさすがにパパが激怒してしまい(ドアが破損していたので被害届を出すという話にもなりました)、Cくんのおうちと話し合いをし、双方で弁償をするという形でなんとか解決。どちらも似たような金額 だったので問題が長引くことがなかったのは幸いでした(カード1枚とドアの修理が似たような金額ってどういう事よ…って思いましたけどね)。

ただ、この件で私もパパもかなり疲弊したので、長男には「カード永久禁止令」が言い渡されました。今回ばかりは長男も深く反省したようで、さすがにこれ以降カードゲームはしなくなりました。パパはCく んと関わらないで欲しいと思っていたようですが、中学が別になることがわかっていたので、卒業までの間であること、これまでカードが絡まなければトラブルになることはなかったことを説明し説得して、長男 がCくんと遊ぶことはOKとなりました。

Cくんが我が家に来襲した時に、長男自身もしくは長女や次女がいたら誰かがケガをしていた可能性もありましたし、カードやドアが破損し弁償するという事態が起きているので、付き合いを考え直して疎遠に なるという方法をとった方がよかったのかもしれませんが、後日謝りに来たCくんやしょげている長男の顔を見ると出来事や行動に対して反省を促すことはあっても、子供同士の関係を強引にやめさせるまでしなく てもよいのかなと思ったので、今回はこのような形を取りました。

6年生だったこともあり、このトラブルが原因で疎遠にするかどうかは長男やCくん自身が決めればいいというのが私の考えでした(中学が離れるというのもかなり大きい要因であったのは事実です)。結果的には 、卒業までの期間も、中学入学後もしばらくはCくんと長男は仲良く遊んでいました。さすがに学校が違うので、なかなか遊ぶ時間も取れなくなり、自然と付き合いはなくなってしまいましたけどね。

子供同士のトラブルはどうしたって起きるもの

対応が合っていたかどうかはともかくとして、子供同士で起きるトラブルって色々ありますよね。我が家も3人3様、色々と起きました…でも色んな子がいて、色んな家庭があるのだからトラブルが起きるのは避 けられないものだと途中からは割り切っていました。初めて対応するものばかりだったので、パニックになったり、イライラしたり、ママ友や先輩ママに相談したり、子供たちと話し合ったりしながら何とか解決 してきました。それらを対応していくうちに『親としても成長させてもらっていたのかなぁ』と笑って話せるようになった今はそう思ったりもします。

今では子供たちも高校生と中学生になったので、小学生の頃のようなトラブルもなく過ごしていますが、これから先はこれまでとはまた違ったトラブルや悩みにぶつかるのだろうと思います。初めてだらけは続 きますが、いつか子供たちが私たちに親孝行という恩返しをしてくれることを願いつつ、期待しつつ、大変な思いをしながらこれからも一緒に解決していこうと思います。いつか孫に「孫ちゃんのパパ(ママ)が小 さい時、こんなことがあったのよ~」と笑い話として話してやろうとか思ったりもしてます(嫌なおばあちゃんですね 笑)。とはいえ、できればトラブルなんて起こさないで欲しいんですけどね…(^ ^;

今、子育て真っ最中の方々の参考になるものではないですが、「こんなことがあったおうちがあるのねぇ」程度に思って読んでもらえていれば嬉しいです。