子供の習い事

今回は、さやかママさんからご寄稿いただきました。


読んであげるよ

もうすぐ小学5年生になる娘。週に3回の塾通いが始まりました。塾のある日は、お弁当を持って夜遅くまで。塾のない日も宿題に追われる毎日。当初は、親の意思8割、子供の意思2割程度でしたが、現時点では 娘自身が通いたいと言っています。体に無理のない程度に頑張ってほしいと願っています。

学校以外の大半の時間を塾に費やすこととなり、他の習い事の継続が困難に。塾を選ぶか、習い事を選ぶか、何度も相談をしました。5年も頑張った習い事をやめるのは、親である私自身も踏ん切りがつかず、 決めることができません。酷であることを承知で、娘に決定を一任することに。

驚くことに、娘は塾を選びました。親の意向を汲んでくれたのかわかりませんが、本人が決めたという事実が大切ではないでしょうか。

「中学受験が終わって、やりたかったらまたやろうね」という約束です。

始めたり、やめたりの繰り返しとなる習い事。その度に様々な思いが募ります。10歳になるまで、いくつかの習い事をしてきました。親の関わりが大きい子供の習い事を、親目線で振り返ろうと思います。

幼児リトミック

2歳~3歳(約1年)

一番手のかかる時期。当時専業主婦だったため、毎日一緒に家で過ごしていたはずですが、あまり記憶がありません。育児の大変さをヒシヒシと感じていました。

児童館や公園へ行ったり、家でテレビを見たりして時間をやり過ごしていたのだと思います。予定もなく日中子供と二人で過ごすことに限界を感じ、親子で参加できる教室を探しました。

そこで選んだのは「リトミック」。音楽に合わせて親子で手をたたいたり踊ったり。娘が楽しんでいたかはわかりません。ぐずっていたことも多かったような気もします。それでも週1回のお出かけは生活の軸 となり、私自身の気分転換にもなりました。

保育園への入園が決まり、平日日中の習い事は難しく、1年であっさりやめました。同年代の子と過ごす時間を持つことができ、保育園前の良い練習になったかもしれません。

ピアノ

4歳~現在(10歳)

保育園にも慣れて、何か別のことをと思い、近場で教室探し。優しいけれど厳しいところもある素敵な先生に巡り合うことができました。娘が初回で先生を大好きになったので即決です。親が同じ部屋で待機OK だったのも娘を安心させた一因。母子分離が苦手な子は、親が後ろで見ていられる教室がおすすめです。

ピアノは毎日家での練習が必要です。これが思った以上に大変。最初の2年は親がつきっきりです。

親が関わると、当然喧嘩勃発。大人げなく注意してしまいます。楽しむはずの習い事が、義務化すると上手くいかなくなりますね。

2年を過ぎると楽譜が読めるようになり、理解度も増したため1人で練習できるように。親の負担は激減です。上手になったと実感できる頃でもあり、娘自身もピアノを弾くことを楽しめるようになりました。

とはいえ、数えきれないほど、辞めるかどうか問題は勃発しました。練習を忘れたり、練習しても数分だったり。「やりたくないなら、やめれば?」というと、「やめたくない」と必ず答える娘。私自身練習が 好きではなかったので気持ちはわかります。ピアノが嫌いなわけではないけど、他に興味のあることを優先してしまう年代。それでも同じことが続くと、「お金もったいないから辞めて」と、言いたくもないこと が口から出てしまいます。涙して「やめない」という娘に「じゃぁ、頑張って練習してね」の繰り返し。家で練習する姿が見える習い事は、親の忍耐強さも求められますね。

最近は、耳にした音楽をなんとなく弾けるようになり、楽器を楽しめるようになってきました。やめずに続けてよかったと思える習い事の一つです。

バレエ

4歳

体験レッスンで挫折してしまいました。体を動かす習い事に通わせたいと思い、女の子なら「バレエ」という単純な発想です。厳しそうな年配の先生だったこと、初回から完全母子分離だったことが重なり、娘 の機嫌を損ねました。足元にしがみつき大号泣。なんとか母子分離したものの、最後まで直立不動だったそうです。この記憶は今でも残っているようで、「バレエはうまくできなかった」と挫折感を覚えている様 子。習い事は最初の印象次第ですね。

ダンス

5歳~10歳

バレエでの挫折経験が薄れてきたころ、再度体を動かす習い事探しをしました。「衣装が可愛い」と一押しのダンス教室へ。とにかく笑顔が大切、楽しむことが大切という先生のレッスンは常に和気あいあいと した雰囲気。ほめ上手で、毎回今日の良かったところを一人ずつ伝えてくれます。さらに良かったのは、教室がガラス張りで親の顔が見えること。振り返っては手を振り、愛想をふりまいてくれました。母子分離 でも、親の姿が見えるだけで気分は違うようです。

ダンスでは、良い友達がたくさんできました。保育園も学校も違うけれど、毎週必ず会う仲間。幼馴染のようです。

イベント(発表の機会)がたくさんあったおかげで、緊張感がありマンネリにもなりませんでした。毎月のようにステージがあり、私もステージママ気分。髪の毛をばっちり決めてあげ、女の子の親を楽しむこ とができました。付き添いは大変ですが、親子で楽しめることが長く続けられる秘訣です。

塾のためにやめたのは、ダンス。最後の大きな発表会の後、みんなと別れた後に、娘は号泣していました。「淋しいよ」と。大好きな先生、仲間と出会えた証だと思います。

小学生になると、写真を撮る機会がめっきり減りますが、ダンスでは娘の写真をたくさん撮りました。娘の成長を残す機会が多かったのも、親としては嬉しいです。


ダンス教室の発表会

バイオリン

7歳~8歳

娘自身が習いたいといって始めました。クラスにバイオリンを習っている子がいたのがきっかけ。憧れの楽器を背負い、教室に向かう姿はとても可愛いです。

習い始めは、ピアノ以上に親が家で練習に付き合わなければならないのが大変でした。先生のお宅に一緒に伺い、「お母さん、ここ注意してみてあげてくださいね」と私にまで宿題が。

一年でそれなりに弾けるようになりましたが、練習量はピアノ以上に必要な雰囲気です。学童通いの娘は帰宅が18時半過ぎなので、ピアノとバイオリンを一日に両方練習するのは時間的に難しいという現実。一 年頑張りましたが、時間がなくどちらも中途半端になってきたので、一つに絞る提案をしました。ピアノを選んだのは、長く続けて娘が先生に愛着があったからでしょう。しぶしぶ納得していましたが、娘は続け たかったかもしれません。可哀そうなことをしたかなと今でも時々思います。

9歳~現在(10歳)

4年生の進級と同時に学童に入れなくなったため、大きな休みの時間つぶしが主目的で通い始めました。塾の先生は面白く、通塾自体は苦ではないようです。宿題が多く、遊ぶ時間が少ないと嘆くこともありま すが、今のところ「続けたい」と言っています。

これまでの習い事との違いは中学受験に合格するという目標があること。簡単に休めなかったり、成果を求められたり、戸惑うことも多そうです。そして親としても関わり方が難しい習い事。本人の主体性に任 せる年齢でもあります。始まったばかりなので、試行錯誤しながら、楽しんで通える手伝いをしていきたいと思います。

成長に伴い、習い事も変わって来ました。これから先は、娘の意思がどんどん大きくなっていくでしょう。向き不向き、相性、多くの条件が重なって、たまたま巡り合えた大好きな先生。これからも大切にして ほしいと思います。つい口出ししてしまうのが現実ですが、理想は「子供のペースで子供の意思を大切に」です。